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首の付け根がズーンと重い原因とは?長引く違和感の正体と対策

「首の付け根が常に重だるい」「ズーンとした鈍痛で集中できない」といった悩みを感じていませんか? 現代社会において、パソコンやスマートフォンの長時間利用により、首の付け根(後頸部から肩上部)の不調を訴える人は急増しています。

この「ズーン」という重みの正体は何なのか。医学的な知見に基づき、その原因と家庭でできるケア、そして注意すべき疾患について解説します。


1. 首の付け根が重くなる4つの主な原因

首の付け根には、頭部(約5kg)を支えるための筋肉や神経が密集しています。ここに負担がかかると、以下のような現象が起こります。

① 筋膜性疼痛(きんまくせいとうつう)

最も多い原因は、筋肉を包む「筋膜」の癒着や炎症です。特に**僧帽筋(そうぼうきん)頭半棘筋(とうはんきょくきん)**が持続的に緊張すると、血行不良に陥り、発痛物質が蓄積されます。これが「ズーン」という鈍痛の正体です。

② 「ストレートネック(スマホ首)」による構造的負荷

本来、頸椎は緩やかなカーブを描いて衝撃を逃がしていますが、前かがみの姿勢が続くとカーブが消失します。これにより、首の付け根に通常の数倍の負荷がかかり、関節や靭帯に慢性的なストレスを与えます。

③ 頸椎疾患の前兆(頸椎症・椎間板ヘルニア)

加齢や負荷により、頸椎の骨が変形したり、クッションである椎間板が飛び出したりすることで、神経を圧迫します。首の付け根の重みに加え、腕のしびれや脱力感がある場合は注意が必要です。

④ 眼精疲労と自律神経の乱れ

目は脳に直結した器官です。目を酷使すると、首周辺の筋肉も連動して緊張します。また、ストレスにより自律神経(交感神経)が優位になると、血管が収縮し、首筋のコリや重さを増幅させます。


2. 「ただの肩こり」と放置してはいけないサイン

単なる疲労であれば休息で改善しますが、以下の症状を伴う場合は専門家に確認が必要です。

  • 手のしびれ・痛み: 神経根症の疑いがあります。

  • 激しい頭痛・めまい: 緊張型頭痛だけでなく、血管系の問題が隠れている可能性があります。

  • 安静時の痛み: じっとしていても痛む、または夜眠れないほどの痛みは、炎症や腫瘍の可能性も否定できません。


3. 今日からできる「重み」を逃がすセルフケア

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のストレッチ

首の横にある太い筋肉をほぐすと、首全体の緊張が緩和されます。

  1. 顔を右に向ける。

  2. 左側の浮き出た筋肉を優しくつまむようにほぐす。

  3. 反対側も同様に行う。

肩甲骨の「はがし」運動

首の付け根の筋肉は肩甲骨とつながっています。

  1. 両手を肩に置く。

  2. 肘で大きな円を描くように、肩甲骨を寄せて回す。

  3. 前回し・後ろ回しを各10回行う。


【結論】

首の付け根の「ズーン」とした重みは、多くの場合、長時間の不良姿勢による筋肉の慢性的な血行不良(筋膜性疼痛)やストレートネックが原因です。生活習慣の改善と適度な運動で緩和が可能ですが、しびれや鋭い痛みを伴う場合は、脊椎の疾患が隠れている可能性があるため、早急に整形外科を受診してください。

【根拠】

  • 姿勢と負荷: 頭部を15度前に傾けるだけで、首にかかる負荷は約12kg(通常の2倍以上)になることが示されています(Hansraj, 2014)。

  • 筋膜性疼痛: 筋硬結(コリ)が発生すると局所の低酸素状態を招き、痛み物質が放出される生理的プロセスが解明されています。

  • 心理的ストレスの影響: 厚生労働省の調査等でも、精神的ストレスが筋緊張を増幅させ、慢性的な肩こり・首の痛みを難治化させることが報告されています。

【注意点・例外】

  • 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断を行うものではありません。

  • 心疾患(狭心症など)の放散痛として左側の首や肩が重くなるケースも稀に存在します。

【出典】

  1. Hansraj, K. K. (2014). Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surgical Technology International.

  2. 日本整形外科学会「頸椎症」「肩こり」診療ガイドライン

  3. 厚生労働省「e-ヘルスネット」:肩こりの原因と対策

 

次の一歩として: まずはご自身の「作業中の姿勢」を写真に撮って確認してみませんか?顎が前に出ているようであれば、モニターの高さを上げるだけで劇的に改善する可能性があります。不安が強い場合は、一度整形外科にてレントゲン検査を受けることをお勧めします。

2026/01/15