1.リウマチとは

 全身の関節に腫れやこわばり、強い痛みが出る。

 症状が進行すると、関節の変形や破壊が起きる。

・慢性的に痛みが生じるものを「関節リウマチ」

・既存の関節リウマチに、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う場合を「悪性関節リウマチ」

・発作性(1日~1週間)に関節炎を繰り返すものを「回帰性リウマチ」(関節リウマチとは異なる病気だが、関節リウマチへ移行するケースも多く見られる)







2.リウマチの基礎知識


■血液検査(医療機関により正常値に多少のバラツキがある)

RF:リウマチ因子(リウマトイド因子)

 免疫的に異常が無いか判断する為のものだが、陽性であっても症状が出ないケースもあれば、陰性でも発症するケースもある。
 15mg/dl以下で正常

CRP:炎症反応(C反応タンパク)

体内での炎症反応や組織が破壊された際に血中に現れるたんぱく質。
炎症の度合いを見る数値。
風邪や筋肉疲労などによって一時的に上昇することもある。
 0.4mg/dl以下で正常

血沈:赤血球沈下速度
 試験管の中で、1時間の間で赤血球が沈下する速度で炎症反応を見る。
 男15mm以下 女20mm以下で正常


■診断基準(日本リウマチ学会が定めた早期診断基準 1994年)


  1. 3つ以上の関節で、圧痛や動作時の痛み
  2. 2つ以上の関節に炎症による腫れ
  3. 朝のこわばり
  4. 皮下結節(リウマトイド結節)
  5. CRP陽性・血沈値20mm以上
  6. リウマチ因子陽性

上記6項目中、3項目以上当てはまる場合を早期関節リウマチと診断



■薬物治療



・非ステロイド系消炎鎮痛薬(痛み止め)

 リウマチの治療によく使われる薬のひとつ。
 この薬には、炎症を抑えると同時に、解熱や鎮痛の作用がある。
 他の関節痛や筋肉痛など、痛みをともなう病気の治療において、一般的に使用される薬。

 ほとんどの場合、薬を服用してから、1~2時間後という早さで効果があらわれる。
 また、炎症を抑える効果も並行してみられる。
 そのため、初期症状の関節リウマチや、軽度の関節リウマチ患者には、非ステロイド抗炎症薬を使って、痛みが抑えられ、この薬だけで、炎症が治まるというケースもある。

 しかし、そのとき起こっている炎症を、一時的に抑えるには効果があるが、炎症の進行や広がりを阻止したり、関節の破壊を止めるという作用は期待できない。
 あくまでも、炎症による痛みを抑えるための薬であり、そのため、実際の治療では、抗リウマチ薬と併用して使用されるということが多くなっている。

 非ステロイド抗炎症薬は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腎臓機能障害などに、重い副作用を起こす可能性が高いことが明らかになっており、そのため、副作用をできるだけ少なくすることが考えられている。
 非ステロイド抗炎症薬は、2剤を併用したり、1剤だけでも、長期にわたって使用し続けることは、よくないとされている。
 また、無症状のまま経過する副作用もあるため、定期的に、血液検査、尿・便の検査を受けることが大切。
 非ステロイド抗炎症薬には、内服薬の他に、座薬、塗り薬、貼り薬という外用薬もある。
 これらの外用薬は、副作用の心配も少なく、患者が痛みの程度に応じて使用する。



・ステロイド(副腎皮質ホルモン)

 抗炎症作用と免疫抑制の作用が強力で、劇的に痛みを抑えることができる薬。

 しかし、大量もしくは長期間服用すると、重い副作用が出ることが明らかになっている。
 しかも、急に薬を中止すると、リバウンドといって、症状を悪化させることがある。

 最近の傾向では、抗リウマチ薬を使い始めたときに、その効果がまだ出てこない間の炎症を抑えるために、少量のステロイド薬を、短期間使用するということもある。
 また、冠婚葬祭などで、一時的に痛みを抑える必要があるときにも、医師に相談すると、処方されることもある。

 ステロイド薬の副作用として、よく知られているのが、顔面が丸くむくむ、ムーンフェイス。
 その他には、肥満、食欲不振、不眠、だるさなど、副作用と気付きにくいような症状もある。
 しかも、急に薬を中止すると、リバウンドといって、症状を悪化させることがある。

 これらの副作用は、誰にでも必ず起こるというものではない。
 しかし、初期に自覚症状がほとんどないため、体重、血圧、血糖、コレステロールなどの、定期検査を行なって、早期発見に努めることが重要。

 ステロイド薬は、非常に効果が高い薬ではあるが、頼り続けると、前述の通り、重い副作用が出る。
 医師に指示された服用法を必ず守るということが重要。



・抗リウマチ薬(免疫抑制剤・免疫調整剤)

 リウマチは、自己免疫疾患であると考えられている。

 そのため、発症初期段階から、免疫に働きかける「抗リウマチ薬」が使用されるのが現在主流になっている。

 「抗リウマチ薬」は免疫に働きかけ、関節の炎症を抑え、病気の進行を抑えることを目的とした薬。
 しかし、痛みを鎮める働きや、即効的に炎症を抑える働きはない。
この薬の効果は、服用し始めてから2~3ヶ月後に生じるという場合がほとんどだが、いったん効果が出てくると、長期間にわたりその効果が持続するのが特徴。

 そのため、炎症が起きず、「寛解(関節炎症が治ったように見える状態)」にすることができる。
 しかし、再発や新たな発症などに備え、服用を続けることになる。

 副作用としては、かゆみ、発疹など軽いものから、めまい、間質性肺炎、肝機能障害など重篤なものまで様々。

 「抗リウマチ薬」の中でも、最近最も注目されているのが、生物学的製剤。
 これは、特定の物質だけに働きかける抗体を作って体内に注射し、炎症を引き起こす免疫反応だけを制御しようというものである。
 この薬は、日本でも認可され、使用されているもの、臨床試験が行なわれているものがある。



・漢方薬

 漢方から見たリウマチというのは、「水毒」といって、新陳代謝の低下や冷えが原因とされている。
 よって、これらを解消する為の処方がされる。
 漢方薬の効果は遅効性だが、副作用は少ないのが特徴。(無いわけではない。)




■ 手術


・滑膜切除術

 滑膜とは関節を覆っている膜で、リウマチは滑膜の炎症から始まり、徐々に肥大します。
 その肥大してしまった滑膜を切り取ることによって、痛みや腫れを抑えるものが、滑膜切除術です。
 関節が破壊されるスピードを遅らせることができますが、薬などのコントロール方法に問題があると再発することもあります。


・関節固定術

 頸椎の固定術は、下を向いていると頚椎の一部が亜脱臼するような場合に、頚椎と頚椎の間をねじで留める手術です。
 また、手首の固定術は、主に手首や指の関節などに適用されます。
 関節を動かなくするために痛みはなくなりますが、小さな関節でも動かなければ生活に不自由が出てしまうこともあります。


・人工関節置換術

 リウマチの症状が進み、関節が破壊したり変形してしまった場合には、骨を切り、関節の両側に金属やポリエチレン、セラミック、プラスチックなどでできた部品をはめこみます。
 人工関節は痛みが治まり、関節の動きもあまり制限されませんが、10~20年ほどが寿命で、そのたびに再手術を行う必要があります。